格安SIMの料金の安さから通信速度の低下を心配して、格安SIMへの乗り換えにためらっている人は多いと思います。
大手キャリアの通信環境の仕組みと比較しながら、格安SIMの特徴や仕組みを解説していきます。
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目次
通信品質を左右する通信設備の違い
格安SIMの品質は大手キャリアに比べて低いと思っていませんか?
いいえ、そんなことはありません。格安SIMも通信経路の大半は大手キャリア(NTTドコモやau)の回線を利用しています。大手キャリアと格安SIMの通信経路はほぼ一緒なのです。
インターネットへの通信経路の手順を簡単に説明します。
まず、スマホから最寄りの「基地局」に接続し、そこから「交換機」に接続、次に「接続設備」を経てようやくインターネットに接続します。基地局や交換機は大手キャリアと同じで、格安SIM事業者間の違いもありません。違うのは交換機から先の回線です。
格安SIM事業者は、大手キャリアと「交換機」から「接続設備」への回線許容量を契約し、この回線許容量が多いほど混雑しにくいのです。この回線許容量は各格安SIM事業者で異なるため、利用状況によって速度に差が出ます。
また、格安SIM事業者が自社で用意するのは、インターネットに接続するための「接続設備」です。
自社で設備を持つことで、パケット繰り越しなどの独自サービスを提供することができるのです。
時間帯によって通信速度は変わる
注意すべき点として、通信速度は利用する時間帯によって変わるという点です。つまりスマホでインターネットを利用している人が多い時間帯は、通信速度が低下してしまいがちです。
なぜならば回線許容量が大手キャリアよりも少ないためです。例えば平日のお昼休みの時間帯は回線使用量のピークとなり通信速度が遅くなる傾向にあります。そのほか、朝の通勤時間帯や夕方〜夜の時間帯も遅くなる傾向にあります。
その対策として、格安SIM事業者は回線許容量を定期的に見直していますが、今のところ速度低下を完全に解決するのは難しい状況です。
通信速度が遅くなる時間帯はWiFiに接続して、インターネットを利用した方がよさそうです。
データ通信の周波数帯(バンド)に注意
SIMとキャリアの異なる端末を使いたいときは、端末のSIMロックを解除する必要があることは理解できたと思います。
SIMロックを解除すればキャリアの異なる端末とSIMを自由に組み合わせることができますが、周波数帯(バンド)に注意しなければなりません。携帯の電波には複数の周波数帯が使われており、山岳部でもつながりやすい700〜900MHz帯は「プラチナバンド」と呼ばれています。
使える周波数帯(バンド)はキャリアごとに異なるため、スマホと格安SIMの組み合わせによっては、プラチナバンドが使えなくなる可能性があり、これによって通信エリアが狭まったり、通信速度が遅くなってしまう場合があります。
たとえば、ソフトバンクのAndroidスマホをSIMロック解除して、ドコモ回線の格安SIMをさしても、ドコモのプラチナバンドにスマホが対応していないことがあります。この場合ドコモ回線のSIMなのに山間部などで電波がつながりにくいことがあります。海外のSIMフリースマホでも同じことが起こる可能性があります。
ただし都市部で使う場合は、プラチナバンド以外の周波数帯で電波がつながりますので、特に気にする必要はありません。
各キャリアの主力周波数帯
下記の表はLTEの周波数帯。バンド1の「2.1GHz」帯は「2.0GHz」帯などと表記されることもあります。
◎=主力の周波数帯
周波数帯 (バンド) |
700MHz (バンド28) |
800MHz (バンド18/26) |
800MHz (バンド6/19) |
900MHz (バンド8) |
---|---|---|---|---|
ドコモ | ◎ | ◎ | ||
au | ◎ | ◎ | ||
ソフトバンク | ◎ | |||
Y!mobile |
周波数帯 (バンド) |
1.5GHz (バンド11) |
1.5GHz (バンド21) |
1.7GHz (バンド9) |
1.8GHz (バンド3) |
2.1GHz (バンド1) |
---|---|---|---|---|---|
ドコモ | ○ | ○ | ○※ | ◎ | |
au | ○ | ◎ | |||
ソフトバンク | ○ | ◎ | |||
Y!mobile | ○ | ◎ |
※東名阪エリアのみ
上のグラフのように3社同じなのは、バンド1の「2.1GHz」帯だけ。それ以外の周波数帯はSIM側が対応していても、端末側が対応してないことがあり、通信できないことも。このため一部の周波数帯でしか使えず、速度が遅くなる可能性があります。
iPhoneはプラチナバンド対応
スマホなどの端末と格安SIMの組み合わせによって、場所によっては電波が通じ辛く、速度が遅くなる可能性を解説してきました。
ただし、iPhoneはグローバル対応しており、日本の大手3キャリアのプラチナバンド全部に対応しているので安心です。
都市部で使う分には特に気にする必要のないことですが、田舎など地方ではiPhoneと格安SIMの組み合わせ、または、ドコモのスマホとドコモ系SIMとの組み合わせがより安心です。
おすすめの格安SIM
mineo(マイネオ)
mineoはドコモ回線とau回線のどちらも利用できるマルチキャリア対応の格安SIMです。
そのため、ドコモまたはauのスマホを持っているユーザーはSIMロック解除することなく気軽に利用することができます。
選べるプランに関しては「音声通話込み」と「データ通信のみ」でそれぞれ5プラン用意されており、500MBから10GBまでのデータ容量の幅があるため、ネットを余り使わないライトユーザーからネットをよく使うヘビーユーザーまであらゆるユーザーにおすすめできます。
また、データ容量が不足した際は、家族や友人など誰とでもパケットを分け合える「パケットギフト」があります。
さらに、ユーザー間でデータ容量を共有できるフリータンクが用意されており、月に1GBまで無料でデータ容量をチャージすることができるmineo独自のユニークなサービスもあります。
バースト機能やデータ繰り越し、データシェアなど、他社が展開している便利な機能は網羅されており、ライトユーザーからヘビーユーザまで満足できる格安SIMです。
どの格安SIMにするか迷ったらまずはmineoを選ぶことをおすすめします。
mineoの申し込みから設定・開通の手順を下記でまとめましたので、mineoに申し込む際に参考にしてください。
イオンモバイル
イオンモバイルは料金の安さとプランの多さが評判の格安SIMです。
音声通話対応SIMが11種、データ通信専用が10種、シェア対応が8種あり、全てをあわせて29種類ものプランが用意されています。
選べるデータ容量の幅も500MBから50GBと幅広く展開されているため、ネットをたくさん使う人からそれほど使わない人まで多くの人に最適なプランが必ず見つかります。
さらに月額料金はデータ通信専用プランなら1GBプランが480円/月〜と激安価格です。チャージは月に1GBのみという条件付きですが、480円とこちらも安い料金設定になっています。
全国200店舗以上あるイオンで直接申し込みや相談ができるのも大きなメリットです。
即日開通できる点を謳ってはいますが、混雑状況によっては不可になってしまうことがあるので、申し込みの際は電話で問い合わせてからにした方がよいでしょう。
UQ mobile(UQモバイル)
UQ mobileはau回線の格安SIMです。au回線を扱っているMVNOはまだ少ないためauユーザーにとっては、うれしいメリットではないでしょうか。
ネット通信はWiMAXだけあって、非常に安定していて高速です。
さらにUQ mobileの特徴として、音声通話が非常にお得です。
月額料金に無料通話分が含まれているため高額に見えますが、電話をよくかける人は結果的に大変安くなります。
最低利用期間が長い(2年)点と選べるプランが少ない点がデメリットですが、そこが気にならないのであれば、非常におすすめな格安SIMです。
Y!mobile(ワイモバイル)
ワイモバイルの最大の特徴は、月に10分以内の通話が300回まで無料の音声通話プランがある点です。
格安SIMの音声通話料金は基本的に20円/30秒のため、通話料金が気になって格安SIMに乗り換えられなかった人がいるかと思います。
1回10分という制限はありますが、50時間/月も無料通話することができるので、仕事などで電話をよくかける人にとっても最適な格安SIMだと思います。
無料通話分が含まれているため、ほかの格安SIMに比べると割高ですが、「ワンキュッパ割」を筆頭に「スマホプラン割引」など、お得なサービスが充実している点も注目です。
速度よし、通話よし、充実した定額プランなど、総合的に見て評価の高い格安SIMです。
楽天モバイル
楽天モバイル、大手ネットショップ「楽天市場」が運営している格安SIMです。
毎月支払う月額料金で楽天スーパーポイントを貯めることができます。そのほかにも楽天市場でお買い物をした際のポイントが2倍になるなど、楽天をよく利用するユーザーに特におすすめの格安SIMです。
1GBあたりの月額料金は他の格安SIMに比べて比較的安く、さらに初回のみ月額料金が無料になるなど、価格面において他の格安SIMを一歩リードしている印象です。
ただし、データ容量が不足した際のデータチャージ料金がやや割高なのに注意が必要です。
格安SIMの弱点である音声通話は、楽天でんわを使えば5分以内の国内通話が何度でも無料※です。
※月額850円
090の電話回線ですので、通信品質は問題ありません。
さらに独自店舗も用意されているので、なにか問題があった際も気軽に相談できて安心です。