格安SIMに乗り換える際は、音声通話をするのか、インターネットのみで大丈夫なのか考える必要があります。
音声通話が必要なら「音声通話対応SIM」、インターネットのみの使用なら「データ通信専用SIM」にします。それぞれのSIMにはメリット、デメリットがありますので、自分の利用シーンをよく考えて選択しましょう。

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電話が必要なら「音声通話対応SIM」を選択

MVNO業者が提供しているSIMは「音声通話対応SIM」と「データ通信専用SIM」の2つに分けることができます。
音声通話対応SIMとは、従来のキャリア通話に対応したSIMのことで、「090」や「080」で始まる電話番号を使用することができます。

もちろんMNPにも対応しているので、これまで使用しているご自身のキャリアの電話番号を引き継ぎたい場合は、音声通話対応SIMを選びましょう。

音声通話対応SIMを契約する場合に注意したいのは、家電量販店の店頭やネットショップで通話対応SIMのパッケージを購人しても、すぐには使えないケースがあることです。家電量販店などの実店舗でサービスを行っている一部のMVNO業者を除くと、販売されている多くのパッケージにはSIMが入っておらず、乗り換え希望のMVNO業者のウェブサイトで申し込んでからSIMが送付されます。

音声通話対応SIMのメリット

  • 090/080/070で発信する音声通話がおこなえる
  • MNPに対応しているので、これまで利用していた電話番号を引き継げる

音声通話対応SIMのデメリット

  • データ通信専用SIMよりも価格が高い
  • 最低使用期間や違約金が発生しやすい
  • パッケージを購入してもSIMは同梱されていない。申し込み後SIMが送付されるのですぐにつかえない。

インターネットのみの使用なら「データ通信専用SIM」を選択

「データ通信専用SIM」は、3GやLTEなどのデータを利用してインターネットのみが行えるSIMです。キャリアの電話番号を引き継いでの音声通話はできませんが、音声通話対応SIMに比べてかなり月額費用は安くなったり、途中解約しても違約金が発生しないのが大きなメリットです。

データ通信専用SIMは「090」や「080」で発信する電話番号を利用できませんが、もし音声通話をしたいなら通話アプリを利用したり、IP電話サービスを利用すれば可能です。

音声通話はなんとかなりますが、携帯番号の取得ができないため、「LINE」や「Facebook」「Twitter」など、携帯電話の番号を必要とするサービスに登録できないことがある点には注意しましょう。携帯電話の番号を必要とするサービスに登録したい場合は「SMS付きのデータ通信専用SIM」を選びましょう。

データ通信専用のSIMを購入する場合も、音声通話対応SIMと基本的な手順は変わりません。スマホ(端末)を準備してSIMを購入します。申し込み手続きをして、スマホ(端末)で接続設定をします。

音声通話対応SIMの場合と異なるのはパッケージにSIMが同梱されていることが多く、購入後すぐに利用できるところです。ただし、その場合、SIMに付帯するコードなどを利用してSIMを有効化する手続きが必要です。その後の接続設定は通話対応SIMと同じです。

モバイルWi-Fiルーターや、LTE対応のパソコン(ウィンドウズタブレットなど)でデータ通信専用SIMを使う場合も同様です。家電量販店などでSIMを購入して利用手続きをした後、接続設定をすれば、すぐに使えるようになります。

購入する際は、音声通話対応SIMとデータ通信専用SIMを間違わないようにすることが重要です。店頭で購入する場合はパッケージを、ウェブ上で購入する場合はスペックをよく確認しましょう。

データ通信専用SIMのメリット

  • 音声通話対応SIMより価格が安い
  • 最低使用期間や違約金が発生しない
  • パッケージを購入するとSIMが同梱されているので、接続設定後すぐにSIMが使える。

データ通信専用SIMのデメリット

  • 090/080/070で発信する音声通話ができない
  • 「LINE」や「Facebook」「Twitter」などの電話番号認証のサービスが使えない

SMS付きデータ通信専用SIMとは

データ通信専用SIMの中には、「SMS機能あり」と記載されているものがあります。
SMSとは「ショートメール」のことで、ショートメールの使用が可能なデータ通信専用SIMのことです。メールの送信先がキャリアメール(「@docomo.ne.jp」「@ezweb.ne.jp」)などの場合、相手によってはPCやウェブメールからの受信ができない設定になっていることがあります。

そうした問題に対処するのがSMS機能です。SMSを使ってメッセージを送信すれば、相手にメールがきちんと届くようになります。もちろん受信することも可能で、SMS認証が必要なSNS(LINE、Facebook、Twitter)も登録できるようになります。

音声通話は必要ないけど、SNSを利用したいという人は「SMS付きのデータ通信専用SIM」を購入しましょう。
またデータ通信専用SIMのオプションメニューで、SMS機能を追加できるMVNO業者もあります。各ホームページをよくチェックしましょう。

「データ通信専用SIM」と「音声通話対応SIM」の共通点

格安SIMには大きく分けて「データ通信専用SIM」と「音声通話対応SIM」の2種類がありますが、それぞれ下記のような共通点があります。

選べるMVNO事業者やプランが多い

「データ通信専用SIM」と「音声通話対応SIM」はどちらもスタンダードなSIMですので、選べるMVNO事業者やプランが数多くあります。自分の利用シーンにあったデータ容量、月額料金を選ぶことができますが、逆に数が多すぎて違いが分かりにくく、どれを選んでいいか分からないなどのデメリットになることもあります。

データ通信の容量が決まっている

「データ通信専用SIM」と「音声通話対応SIM」は、毎月使えるデータ通信の容量が決まっています。契約したプランによって毎月使えるデータ容量は異なりますが、その容量を使い切ると低速通信に切り替わります。しかし、低速になっても「チャージ」と呼ばれるシステムを使って追加料金を支払えば、再び高速通信が可能になります。

データ無制限SIM

最大225Mbpsなど高速通信をウリにしているデータ無制限SIMもありますが、基本的には通信速度は低速ですので、重たい動画を再生したりダウンロードしたりするなどの用途には向きません。

しかし、その分データ量を気にせずにインターネットを使うことができますので、毎日サイトをチェックしたい、テザリングをしたい、低解像度でも動画を楽しみたいという人には最適なSIMです。

チャージ不要

スマホで高速通信をする必要がないなら、データ無制限SIMでもOK。データ容量不足になることはありませんので、チャージのための追加料金の心配はありません。

制限なくインターネットができる

データ通信量を気にすることなく、インターネットを楽しむことができます。ただし、SIMによっては3日間で使えるデータ容量に制限がある場合があります。

通信速度は遅い

データ無制限SIMの中には高速データ通信をウリにしているものもありますが、基本的に速度は遅いです。3Mbpsほど出るSIMもありますが、重いデータをダウンロードするのには不向きです。

月額料金が高い

無制限のプランですので、選べる格安SIMの数は限られてきます。そのため最低利用料金は高く、インターネットをあまり使わない人にとっては逆に損してしまうこともあります。

通話料金が高い

通話料金は20円/30秒と高額です。MVNO事業者の中には独自アプリやサービスによって、通話料金を抑えることができますが、通話時間が長い人は注意が必要です。

通話時間が長い人向けのSIM

多くの格安SIMは大手キャリアのようなかけ放題サービスはありませんし、通話料金も20円/30秒と高額です。そのためスマホで頻繁に電話をするユーザーが格安SIMに乗り換えると、逆に月額料金が高くなってしまうことになります。

通話時間が長い人は格安SIMにしない方がいいって本当?

しかし、よく電話を使う人向けの格安SIMがあります。通話時間が長い人向けのSIMですが「1回10分、月300回」「最大30分まで」などの制限が付きますが、電話をよくする人にも安心しておすすめできます。

数多くあるMVNOの中でも、このような通話を重視した格安SIMを出しているのはワイモバイル(Y!mobile)UQモバイル(UQ mobile)くらいで、とても貴重な存在といえます。

通話料金を節約できるのはうれしいですが、ほかの格安SIMに比べて料金は少しお高くなります。

通話時間が長い人向けのSIMのメリット
通話料金を安くできる
通話時間が長い人向けのSIMのいちばんのメリットは、通話料金を安く済ますことができることです。多くの格安SIMが20円/30秒と高額なので、通話時間が長い人にはうれしいメリットです。
選べるスマホが豊富にある
ワイモバイルは、スマホはもちろんタブレットまで豊富に取り揃えられています。もちろんSIMロックを解除すれば、ほかのキャリアの端末も使うことができます。
通話時間が長い人向けSIMのデメリット
選べるMVNOが少なく、プランも少ない
今のところ、通話時間が長い人向けの格安SIMはワイモバイル(Y!mobile)UQモバイル(UQ mobile)くらいです。そのため選べるプランは少なくなります。
無料通話時間に制限がある
時間制限や回数制限があり、基本的に完全なかけ放題ではありません。ただし、ワイモバイルには1500円/月で制限なしのかけ放題にすることも可能です。

「データ通信専用SIM」と「音声通話対応SIM」のどちらにするかがポイント

格安SIMに乗り換える一番の動機はスマホの月額料金をできるだけ安くしたいということでしょうから、その点を重視すれば「データ通信専用SIM」にしたいところでしょう。しかし「LINE」「Facebook」「Twitter」などのSNSも使いたい、電話もたまに使う、など色々なシーンを考えると、どれにしようかかなり悩ましい状態になるでしょう。

しかし各MVNO業者はそれぞれのプランで魅力的なオプションを用意していますので、オプションメニューも考慮に入れるとよいと思います。

また、無理に1枚の格安SIMで運用する必要はありません。「大手キャリア最安のプランのガラケー」と「データ通信専用SIMのスマホまたはタブレット」の2台持ちなども魅力的です。

このように格安SIMには組み合わせによって、さまざまな可能性があります。自分の利用シーンをよく考えて、自分に合った格安SIMを選びましょう。

おすすめの格安SIM

mineo(マイネオ)

mineoはドコモ回線とau回線のどちらも利用できるマルチキャリア対応の格安SIMです。

そのため、ドコモまたはauのスマホを持っているユーザーはSIMロック解除することなく気軽に利用することができます。

選べるプランに関しては「音声通話込み」と「データ通信のみ」でそれぞれ5プラン用意されており、500MBから10GBまでのデータ容量の幅があるため、ネットを余り使わないライトユーザーからネットをよく使うヘビーユーザーまであらゆるユーザーにおすすめできます。

また、データ容量が不足した際は、家族や友人など誰とでもパケットを分け合える「パケットギフト」があります。
さらに、ユーザー間でデータ容量を共有できるフリータンクが用意されており、月に1GBまで無料でデータ容量をチャージすることができるmineo独自のユニークなサービスもあります。

バースト機能やデータ繰り越し、データシェアなど、他社が展開している便利な機能は網羅されており、ライトユーザーからヘビーユーザまで満足できる格安SIMです。

どの格安SIMにするか迷ったらまずはmineoを選ぶことをおすすめします。

mineoの申し込みから設定・開通の手順を下記でまとめましたので、mineoに申し込む際に参考にしてください。

iPhoneでmineoの申し込みから設定・開通までの全手順を解説

イオンモバイル

イオンモバイルは料金の安さとプランの多さが評判の格安SIMです。

音声通話対応SIMが11種、データ通信専用が10種、シェア対応が8種あり、全てをあわせて29種類ものプランが用意されています。

選べるデータ容量の幅も500MBから50GBと幅広く展開されているため、ネットをたくさん使う人からそれほど使わない人まで多くの人に最適なプランが必ず見つかります。

さらに月額料金はデータ通信専用プランなら1GBプランが480円/月〜と激安価格です。チャージは月に1GBのみという条件付きですが、480円とこちらも安い料金設定になっています。

全国200店舗以上あるイオンで直接申し込みや相談ができるのも大きなメリットです。
即日開通できる点を謳ってはいますが、混雑状況によっては不可になってしまうことがあるので、申し込みの際は電話で問い合わせてからにした方がよいでしょう。

UQ mobile(UQモバイル)

UQ mobileはau回線の格安SIMです。au回線を扱っているMVNOはまだ少ないためauユーザーにとっては、うれしいメリットではないでしょうか。

ネット通信はWiMAXだけあって、非常に安定していて高速です。

さらにUQ mobileの特徴として、音声通話が非常にお得です。
月額料金に無料通話分が含まれているため高額に見えますが、電話をよくかける人は結果的に大変安くなります。

最低利用期間が長い(2年)点と選べるプランが少ない点がデメリットですが、そこが気にならないのであれば、非常におすすめな格安SIMです。

Y!mobile(ワイモバイル)

ワイモバイルの最大の特徴は、月に10分以内の通話が300回まで無料の音声通話プランがある点です。

格安SIMの音声通話料金は基本的に20円/30秒のため、通話料金が気になって格安SIMに乗り換えられなかった人がいるかと思います。

1回10分という制限はありますが、50時間/月も無料通話することができるので、仕事などで電話をよくかける人にとっても最適な格安SIMだと思います。

無料通話分が含まれているため、ほかの格安SIMに比べると割高ですが、「ワンキュッパ割」を筆頭に「スマホプラン割引」など、お得なサービスが充実している点も注目です。

速度よし、通話よし、充実した定額プランなど、総合的に見て評価の高い格安SIMです。

楽天モバイル

楽天モバイル、大手ネットショップ「楽天市場」が運営している格安SIMです。

毎月支払う月額料金で楽天スーパーポイントを貯めることができます。そのほかにも楽天市場でお買い物をした際のポイントが2倍になるなど、楽天をよく利用するユーザーに特におすすめの格安SIMです。

1GBあたりの月額料金は他の格安SIMに比べて比較的安く、さらに初回のみ月額料金が無料になるなど、価格面において他の格安SIMを一歩リードしている印象です。

ただし、データ容量が不足した際のデータチャージ料金がやや割高なのに注意が必要です。

格安SIMの弱点である音声通話は、楽天でんわを使えば5分以内の国内通話が何度でも無料※です。
※月額850円
090の電話回線ですので、通信品質は問題ありません。

さらに独自店舗も用意されているので、なにか問題があった際も気軽に相談できて安心です。